本文へ移動

防災部会

令和6年度 委員紹介

 部会長   丸山 幸弘
 
 他三役
 他全会員

委員会の紹介

 近年多く発生している地震や豪雨災害など、私達の地域でも何時、被害に合うか分からない状況です。平成26年に発生した神城断層地震では多くの被害が発生し、今でも手のつかない所が有ると聞いています。また、建築士会では逸早く応急危険度判定や被害状況調査、住宅相談等の活動をしました。

 上伊那郡内でも災害が発生した際には自らが身を守り最小限の被害に抑える努力をしなければなりません。私達、建築士の職能を活かし災害対策に備える活動をしたいと考えています。それには会員全員の協力が無ければ活動できません。絶大なるご協力を宜しくお願いいたします。

 委員長:丸山幸弘

活動報告

能登半島地震 応急危険度判定士派遣

2024-06-10
注目チェック
調査 輪島市
調査メンバー(長野県第3陣)
調査位置1
調査位置2
歩道の様子
歩道をふさぐ倒壊建物
1階のつぶれた店舗
2階の重量で1階がつぶれている
倒壊
転倒したRC建物
 2024年1月1日16時10分ごろ、石川県能登半島で最大震度7の揺れを観測する大地震が発生しました。
 長野県にも支援要請が来たことにより、その要請をうけ、上伊那支部では第三陣として3名が派遣されました。
 

【市街地を主に応急危険度判定で回った感想】
 輪島市街地は区画が狭い住宅地であった為、間口が狭く奥に長い家屋が多かった。道路、または南に面した方向に開口部が集中した設計が多く、耐力壁が確保できずに倒壊した可能性がある。また、奥に長い敷地の奥部分を増築している建物が多い。採光などを得る為、切りかき部分の2階が有り、増築部分も被害を受けていた。
 基礎は、無筋である事がほとんどで、クラックをはじめ基礎の破壊+横ズレ+沈下など修復不可能になる被害を確認。細かく見ていくと、土台がアンカーボルト抜けて離れている。基礎の破壊とされている物の全てで確認できる(←破壊原因は無筋)。アンカーボルトが抜け、建物が基礎から落ちて移動した物件もあった。
 新しい(新築して間もない)建物は無事に立っているのだが、玄関段差ポーチまたは土間の破壊がある。家の倒壊に比べれば軽微ではあるが、無被害ではない。 
 構造体では、通し柱が胴差部分で折れていた。
 次に問題になるのが、柱頭柱脚金物である。倒壊・半壊建物の移動の多くに見られたのが金物の無い柱だった。耐力壁がいくら働いたとしても引抜力で柱のほぞが抜ければ耐力負担できないため原型をとどめる事は出来ない。柱の引抜計算は N 値計算が一般的ではあるが、「N 値 0」になる柱でも金物は必要ではないかと疑問になる。新築時の計算は耐力壁を計算しているため、雑壁や不可抗力が引抜力を発生させると考える。今後の検討課題だ。耐力壁・柱頭柱脚金物・アンカーボルト・有筋基礎が倒壊を免れる重要な要素と感じる。
 被害を受けた建物はほとんどが古い建物。道の拡張で新しくなった住宅などは、被害が少なかった。裏通りに入ると古い建物が倒壊している。海沿いである為に屋根は瓦葺きがほぼすべてを占める。上部が重いのも、被害が多く出た原因の一つだと思われる。
 
 上伊那で地震が起こると、想定では震度5弱~5強と言われている。輪島では数回にわたり地震が起きた。2回目、3回目で倒壊する建物も多くあったようだ。
 現状、耐震改修されずに住まわれている住宅が多いが、すべて耐震化するのは困難な上、また費用も大きくなるために二の足を踏む人も少なくない。倒壊して亡くなることや、倒壊して隣の家に被害を与えること、通行人が巻き込まれる問題もある。また、倒壊した建物が道路部分をふさぎ、地域住人の車両や緊急車両などが通行できないなど不測の事態は避けなければならない。とにかく、1度目の地震で倒壊しないようにするのが古い建物の課題である。耐震工事で評価点 0.7 以上と言わず、南面や開口方向の耐力壁のみの工事も効果があるのではないか。その耐力壁一つで倒壊せず逃げる事ができれば、その後の選択肢があると提案をする。
こうした災害の度、少しづつ世間に周知されてきているが地域や被害状況によって対応は変化するので、上伊那は上伊那で備えなければならないと感じた。
 
(佐野 恭馬)
 
 
 
 
 
2024年 1月 1日 16時06分 最大震度7 発生
(公社)長野県建築士会 災害支援 :【 応急危険度判定 (一般家屋等) 】
2024年01月10日~13日活動 (第3陣)
(公社)長野県建築士会上伊那支部 
 参加者:唐澤 寿、佐野恭馬、丸山幸弘
 
 
 今回の能登の地震においても土砂災害による家屋の倒壊、集落の孤立といった被害がありました。上伊那も大部分が伊那谷にあり、その位置ゆえに道路交通も比較的限定されており同様な被害が起こる恐れは十分にあります。必要に応じ、大地震に備えた家屋への補強等を考えていくことはもちろんですが、大地震による土砂崩落などによる道路寸断で支援が行き届かない事態も予想し、行政の支援が機能しなくなることを認識し、各自で備蓄など防災対策を心がけておくことも必要かもしれません。

令和4年度 被災建築物応急危険度判定士養成講習会

2023-01-26
 1月26日に伊那合同庁舎において、令和4年度 被災建築物応急危険度判定士養成講習会が行われました。伊那建設事務所管内において、応急危険度判定活動の実効性の向上等を図るため各市町村の災害時における応急危険度判定の協力に関する協定が改定されており、講習会前にはそれに関する説明会も行われました。
 応急危険度判定士は主に建築士が対象となっており、建築士として業務以外に何か貢献できないかを考えたときに応急危険度判定士があるということで建築士会に入った人もいるとききます。地震はない方がいいですが、万が一に備え、我々建築士としてできることを常々考えておくことは重要だと思います。

唐澤大基

令和3年度 長野県総合防災訓練

2021-11-14
 11月14日、「令和3年度長野県総合防災訓練」に小林支部長、丸山防災委員長、下平、鈴木防災委員、そして私、5名で参加してきました。今年は駒ヶ根市を会場として行われ、市内8か所で様々な災害に対しての訓練が行われました。私たちは、避難所となる赤穂小学校体育館の応急危険度判定の訓練を実施してきました。コロナ禍での訓練となり、一般の方々の参加は有りませんでしたが、昨今の災害が多発する中で、有意義な訓練となったと思います。
吉川 貴久

令和3年度 伊那市総合防災訓練「防災教室」

2021-06-27
 6月27日(日) 伊那市立高遠小学校にて、伊那市総合防災訓練が行われました。
 伊那市役所危機管理課から上伊那支部あてに訓練への協力依頼があり、防災委員会として、丸山委員長と酒井さんとともに参加してきました。訓練の詳細は、「小学生向け防災教室」。
 内容としては、これまでに建築士会にて対応していた2019年の台風19号災害での住宅相談の活動を小学生向けにまとめたものです。
 今年は「三六災害」から60年の節目の年ですので、過去に起きた三六災害の被害と台風19号の被害の説明と、災害時、特に強い雨が降った時の避難で気を付けなければならない点、水害に備えて日頃から出来ること、伊那市で配布している「防災マップ」の見方など、1年生から6年生までの学年毎の理解度に応じて、柔軟に対応させながら、言葉巧みに丸山委員長が講話をしてくれました。そのおかげで、ちょっと小学生には難しいかな?という災害時での話も、しっかりと聞いてもらえました。
 また、講話の中で、子供たちの反応が良かったのが、駒ヶ根市の駒ヶ根ファームス近くにある「森と水のアウトドア体験広場」内にある「あめ太郎」。自動車型の設備に乗り、いくつかあるボタンを押すと、やや強い雨(10mm)から国内最高記録の180mmの雨が体験出来る、というものです。あまり知られていないものかと思っていましたが、各学年4~5名程度は行った事がある、とのこと。現在は整備のため体験できないそうですが、自分が体験した時のことを一生懸命に話す子供の様子や、近年、線状降水帯による豪雨災害も度々あるため、会員の皆さんも一度は体験してみても良いのでは、と感じました。

中村香江

今! 起こるかもしれない災害に備えて 11 月7 日

2015-11-07

11 月7 日に伊那市役所にて建築士会上伊那支部・伊那市主催による、地震発生時の避難と上伊那の応急危険度判定を考える会が「 今! 起こるかもしれない災害に備えて」と称し、防災関係者・一般市民も対象に開催されました。

長野県建築士会常務理事:寺澤氏による「2014年長野県神城断層地震被害調査報告」(建築士会の災害支援活動と問題点・今後の課題等)、伊那市役所危機管理監:伊藤氏による「伊那市地震発生時の初動について」(地震の発生確率と被害想定、初動対応、減災対策等)、副支部長:小林氏による「上伊那の市町村別応急危険度判定体制について」(応急危険度判定の実状と災害発生時の対応の問題等)講演が行われました。

 震災等の対応について早急に備えておく必要が有るとの主旨で開催されたものですが、行政+建築士会等が一層の連携を深め、有事の際の体制を整える必要性を痛感しました。(清水裕明)

公益社団法人
長野県建築士会 上伊那支部
〒396-8666
長野県伊那市荒井3497
伊那合同庁舎伊那建設事務所内
TEL.0265-78-6403
FAX.0265-76-2136
────────────
1.建築関係団体との連携
2.建築行政への協力
3.地域社会活動への参加
────────────
TOPへ戻る